山口判事

NHKの「虎に翼」というドラマの評判がいいらしい。その中で、終戦後、司法省で働いていた主人公とばったり出会った同級生の男性裁判官役を2枚目の俳優が演じており、この方のことも話題になっていた。その後の展開がどうなるかはよく分からないが、これまでの経過やキャラクラー設定からすると、闇市で購入した食料を食べることを拒み、栄養失調で亡くなった山口判事という方を戻るにしているようである。残念ながら、山口判事がどのような方かは知らないが、終戦直後の日本で、闇市で調達した食料を食べることを拒み、餓死した山口という裁判官がいるという話は、父から聞いたことがあった。当時としては、かなり、衝撃的なことで、讃える人もいれば、そうでない人もいて、作家などでの著作でも取り上げられたりしたことがあったようである。一方、30年近くにわたって経済状態が悪化し続け、簡単に言えば負け続けている現在の日本を見た時、どのように立ち上がらせるかを考える人がいかに少ないか、という感想を持っている。政治資金規正法の問題でも、表の報告書等に記載をしなければ問題になるというのは、亡き加藤紘一氏を議員辞職に追い込んだのが、政治資金として集めた一部に関して税法違反に問われた(ここで記憶だけで舁いているので不正確)ことであったことを政権与党は忘れていたのであろうか。そして、政治資金規正法の改正でも、どうせ修正するならば、一番厳しい内容ものを丸呑みすればいいのに、「よらしむべし、知らしむべからず」の状態を維持しようとして汲々としている。防衛費を倍増すると言っているが、倍増した防衛費で、どのような効率的な防衛力を構築していくのか、全くといっていいくらい議論していない。政治資金規正法の問題で汲々とするよりは、一番厳しい内容のもので手っ取り早く改正し、国会で議論すべきことを議論すべきなのに、それもしないというのは野党の問題ではない。政権与党の問題である。そして、このまま、政治的、経済的支配層が腐敗し続ければ、間違いなく反乱が起こる。政権与党などは、たかをくくっているようであるが、自衛隊に入隊してくる層の中には経済的に苦しい層出身が増えてくるであろう。その時、戦前の2・26事件や中国明朝末期の反乱のようなことが起こらないとは限らない。いい加減に目を覚ますべき時期はきたようである。