この文章は、令和5年12月15日に書いている。政治の世界では、自民党の派閥が開催した政治資金パーティーのパーティー券の売り上げについて、ノルマ以上のパーティー券を売った国会議員に対して、派閥の方からノルマを超過した売り上げ分をキックバックし、それを政治資金収支報告書に記載しなかったということで、政治資金規正法違反問題が取り上げられ、騒ぎになっているようである。ここで、私にとって不思議なのは、国会議員に課されたパーティー券売却のノルマを超過した金額全額がキックバックとして、当該議員の方に戻されていたことである。例えば、忘年会(政治資金パーティーは忘年会とは違う、と言われるかもしれないが。)では、参加者一人あたりの飲食代を計算し、会費を決める。仮に、忘年会参加者を募り、自らの伝手で、多くの人を参加させた人物に対し、一定の金額を渡すということにしたとして、渡せるのは、会費として徴収した金額から、参加者一人あたりの飲食代実費を差し引いた金額だけであろう。そうでなければ、当該人物にノルマ以上の参加者を参加させたからといって、徴収した参加者の会費全額を渡していたのでは、忘年会主催者は赤字になることが出てくる。しかし、派閥では、長期間にわたって(報道によれば、25年以上にわたって行っていた派閥もある。)、ノルマ以上のパーティー券売り上げをキックバックするということを続けてきたというのである。これは、そのようなことをしても、政治資金パーティーは赤字にならないということを示している。ということは、最初から、パーティー券購入者全員が出席することは予定していないし、仮に、パーティー券購入者全員が出席しても、一人あたりの飲食代はごくわずかということを前提にしているということになる。すると、これは、パーティーではなく、それ以外のものである。寡聞にして、政治資金パーティーでどのようなことが行われているか、その詳細は知らないが、到底、パーティーと言えないようなものを開催して、資金を集める。しかも、集められたお金は、購入者が予定していない人物のところに、キックバックされる。これは、購入者にとっても、その意図に反する。そして、それが政治資金収支報告書に記載されない資金になる。どう考えても、政治を腐敗させることになる。政治が腐敗すればどうなるか、過去の歴史を振り返れば明らかである。