死亡届記載事項証明書

最近、在日韓国人の方の相続で悩ましいことにあった。被相続人が在日韓国人の方。法定相続人は被相続人の子どもばかりで、在日韓国人の方と日本に帰化した方の複数名。法定相続人としての在日韓国人の方は複数名おられるのであるが、そのうちの一人が、約5年前に死亡していることが外国人住民票を取得して分かった。その死亡した方をAとすると、そのAが死亡していたことは誰も知らず、当然のことながら、韓国での死亡届出手続を誰もしていない。韓国での死亡届出手続をするためには、死亡届記載事項証明書というものをAの死亡届を受理した地方自治体から発行してもらわなければならないことが分かり、最後の住所地の地方自治体に死亡届記載事項証明書の交付申請をしたが、なんと、最後の住所地の地方自治体には死亡届が出ていないことが分かった。死亡届は、死亡地、死亡届の届出人の住所地でも提出できることが分かったが、最後の住所地の地方自治体の担当課では死亡届の提出地は把握していないとのことであり、そのため、法務局、法務省の出入国管理庁などの各部門に電話してどこかで死亡届が提出された地方自治体を把握している部署はないかと調べたが、どこも把握していないとのこと。そして、最後の住所地の地方自治体が、住民票に死亡した日を記載しているから、どこかの自治体からAの死亡通知を受理したことは間違いないはず、その書類は残っているはずだからその書類の写しをもらえれば死亡届の提出地は分かるはずだと思い、いわゆる23条照会で照会したところ、保管期限は1年間ということで、回答を得られず。理屈の上では、死亡届の提出できる地が死亡届の提出者の住所地でも提出できるということになると、住民票は、元の居住地においたまま、他の地の施設に入所してそこで死亡し、その施設の運営者が複数の施設を運営し、自らの本店所在地等の地で死亡届を提出していた場合、想像がつかないところに死亡届が提出されている可能性もあった。どうするか、思い悩んだが、最後の住所地は賃貸マンションと思われたので、施設に入所して死亡したわけではないだろうと考え、最後の住所地の近隣地方自治体に片端から、死亡届記載事項証明書の交付申請書を送ったところ、その一つの自治体から回答があり、なんとかAの死亡届記載事項証明書の交付を受けられた。今回は、これで事なきを得たが、同じようなケースは、他にも存在するはず。今のように、死亡届記載事項証明書は死亡届提出地のみで、しかも、死亡届提出地を把握している部署がないという状況下では、本国では、いつまでも生きているという状態の在日外国人の方も出てくるように思う。制度の改善が必要ではないだろうか。