28年前の王将戦から思う

この文章は、藤井聡太王将と羽生善治九段の王将戦第2局終了の翌日に書いている。対局は、周知のとおり、羽生九段が藤井王将を下した。この対局の立会人は谷川一七世名人であった。今年は阪神淡路大震災から28年。あれから28年も経ったのかという思いでいる。この阪神淡路大震災の直後にも、王将戦が戦われていた。その時の対局者は谷川王将と羽生六冠。つまり、現在の谷川一七世名人と羽生九段である。この時、羽生六冠は、谷川王将を破って王将位のタイトルを奪うと7大タイトルをすべて同時制覇するという重大なときであった。これも記憶でしかないが、阪神淡路大震災の直後にも、王将戦の対局があり、身重であった谷川王将夫人が自動車を運転し、長時間かけて、谷川王将を対局場まで連れて行ったと記憶している。この王将戦は、最終的に谷川王将が4勝3敗で王将のタイトルを防衛し、「ガンバロー、コウベ」の第1弾となった。あれから28年経ち、正に羽生時代を築いていた覇者羽生が、今度は、新たに藤井時代を築こうとしている藤井王将に挑戦をしている。今度の王将戦は、視覚的にも覇者交代が見える番勝負となっている。藤井、羽生両者の健闘を期待している。